「-IT革命とは、技術の革命ではなく、コストの革命である-」
ピーター・タスカ
ナスカとは
当社ナスカは、ベンチャー企業ではない。

「今まで誰も気づかなかったような、でかいビジネスをやろう」だとか、「上場して何百億も儲けよう」だとか、目的なきバクチ的な考えは、毛頭持ち合わせていない。
ネットという社会の中で、人が便利さを追求できるビジネスを通じて、ユーザーの喜ぶ顔が見たい、ナスカを使ってよかったと言ってもらえたら嬉しい、そんなささやかな望みだけだ。

既にあるビジネスモデルをアレンジして、よりよい姿に持ってゆく。
「デザイン」の元々の語源は、ギリシアの言葉で「本来あるべき姿に整える」という。
ナスカは、ビジネスをデザインできる企業でありたいと思っている。
原点
当社のスタートはビデオショップを中心とした小売店である。
一人の、名も無き小僧が、赤字で潰れたお店を安価で引き取り、数ヶ月で黒字転換に持って行き、その利益でさらに潰れたお店を引き取り・・・と、三年間で11店舗まで増やし、その店を転売した資金で新規ビジネスを回している、それだけ。
ただ、その過程の中で、全国でもっとも売った商品を生み出したりと、業界という一単位の中では、それなりのスタイルは作り上げたつもりである・・・という昔話は置いといて。

商売という視点から見れば、そこそこ成功した部類には入るのであろうが、ビジネスという点で見れば実に非効率的であった事を、今は経験として感じる。
小売店が1店舗で生み出す利益と、10店舗で生み出す利益、その差は殆ど無いというのが現実。

店が増えれば経理スタッフも雇う、店長を束ねるマネージャーも雇う。売上が上がろうとも、固定費が下がる訳ではない。
比例して人件費も上がり、せいぜい多店舗のスケールメリットとして、今まで1ケ1000円で仕入れていたものが、10ケまとめて900円で買えるようになるという程度の話。
また、それだけの規模になると、中には売上のゴマカシ、商品の横流しなどの悪さをするやつも出てくる。その処理が、一番の骨折り損。
今は三店舗だけ残して片腕に任せているが、11店舗の時より、利益は生み出している。これはこれで、原点であるから初心として保存している。

↑(2001/1/追記)
この文章を書いた2000年度は、インターネットビジネスに特化した一年であった。
思いのほかユーザーからの暖かいご支援を受け、よりネットの方面に集中したビジネスを運営するために、ビデオショップの方は完全に撤退することを思案、2000年度末を持って売却を完了した。
約2000万の売却益が出たので、これを用いてさらなる発展を遂げたいと思う。
ネットと人材
冒頭のメッセージを引用するまでもなく、コンピュータというのは、人の能力を時には数倍、
数十倍まで引き上げる。
当社が求める人材の最低基準は、一時間に4500文字以上のブランドタッチをこなせる人。ちなみに、自分は6000文字近く打つ。この速度で、思考と打鍵は、ほぼ同時だ。

もちろん人間性やセンス、細かい見所はあるが、文字打ちはあくまで仕事の上での最低基準としてのスキルだ。普通の人が、一時間に2000文字(400字詰め原稿用紙5枚)程度だと考えると、4500文字打つ人は、単純に普通の人の倍は仕事が出来るということ。
メールや電話にて外部スタッフと連絡を取るのが主な仕事だから、より多くの人を動かせるかどうかにかかってくる。

仕事が速ければ、余計な残業をする必要がない。休みもキッチリ取れるからストレスも溜め込むことがないし、何より多くの給与が取れる。
当社の給与基準は月給20万からとは書いているが、年収1000万プレイヤーを輩出するのも全く不可能ではない。実力さえあれば、年功・出身・経験に関わらず、可能な世界である。

従来の企業が100人がかりで行っていたビジネスを数名で充分にこなして、より利潤の追求を行ってゆこう、というスタイルにしているだけである。
企業とは、人を使い、モノを使うのだから、利潤を追求した上で、その中から社会還元を行わねば、金を出してくれた人に対して失礼ではないか。
企業は人なり
ちょっと小金が貯まっている時に、誰彼かまわず人を雇い入れ、経営が傾いたらリストラの名のもと首を切る経営者がいるが、まさに本末転倒。
そういう首の切り方をする経営者から、まずは辞めていただきたいものだ。

ITの進化は、一人の能力を数十倍にも高める。
これから、さらに進化した人材が出現するのを、楽しみにしている。