時をかけるドラゴン

 

高校2年の時。

僕は、よく絵を描いていた。

ペンにインクを付けて、風景や静物を見ながら細かく描く、細密画という絵が好きだった。

元々、生き物は描かなかったのだが、突然、龍の絵が描きたくなった。

犬でも猫でも無い。龍だ。

一つの絵は、見ながらでも一日かかる。

見た事も無い龍を、想像だけで三日かけて描いた。

そして月日が流れ・・・7年後。

ある仕事で、神奈川にあるカラオケビルのコンサルティングを引き受けた。

そこは、結構有名なカラオケで、建物の上に大きなドラゴンが乗っていた。(知ってる人いるかな?)

のドラゴンこそ、7年前に描いた、あの龍の姿だったのだ。

以下余談。

そのビルには経営者が二人いた。

僕は、経営者の一人とはイニシャルが、もう一人とは誕生日が一緒だった。